「功名が辻」

dongjun2006-03-21


朝から晴天、春分の日で大安。
昨日より少し暖かいようです。

けさのNHKのラジオで「功名が辻」の千代さんとその夫山内一豊
についての論評が読まれていた。

朝の8時前のことなので、軽く聞き流しながらところどころ
言葉を拾って聞いた。

話の趣旨として千代が主人公で一豊は凡夫だとか。

反論一つ。

凡夫だからこそ、忠実に千代の発言に耳を傾け、納得し
それを実行できた。もし一豊が有能精鋭の武将であれば
千代の発言に耳を傾けず、豊臣家について関ヶ原
果てていたかも知れない。

一豊は3人の殿様(信長、秀吉、家康)のそれぞれ時代に
おける、現代にたとえればトップ企業に就職し、運良く
評価を得て昇格していった。

決して、戦場での武勲が特別光ったわけでもないが、
ひたすら果敢に勇気を振り絞り、生きるか死ぬかという
修羅場でも一度も後ろを向いて逃げ出さなかった。

一番の功名は、家康の評価だ。
さすがに「仕事をした人」を見抜く眼力はすばらしい。
もし私が家康だとしても、彼を一番の戦功者として
選ぶだろう。

戦場で敵方の首を取るのも戦功の一つだが、秀吉死後の
複雑な派閥の様相の中で豊臣家の家臣たちが、豊臣か
家康かの選択を迫られているときに、ベクトルを一つに
したのが一豊の言動であった。
家康の言を借りると
「おそらく古来、これほどの功名はないだろう」と言わしめている。
すばらしい!(家康が米国人ならGreat!と叫んだか)

企業で言えば、有能な社員が混乱の中ロイヤリティを失って
スピンアウトしていく状況を救ったわけである。

私はこの小説の主人公はいまでも一豊だと思っている。